柔らかさ VS 硬さ~ 「低緊張」について

実はヨガクラスで頻繁に
「身体が柔らかすぎるひと」
を見かけます。
「柔らかくていいな」
と思いがちですが、
硬い人より
柔らかい人の方が


・疲れやすい
・精神的に落ち込みやすい
・反り腰でぎっくり腰頻発

など、
大変な人が多い気がします。
逆に、硬い人は、意外に元気!
この前のクラスでも
そんな話をしました。

これって実は
「低緊張」というものかもしれません。

🌿低緊張ってなに?
「低緊張(ていきんちょう)」とは、


筋肉の緊張が普段より低い状態のことです。
・体がふにゃっとしやすい
・姿勢が崩れやすい、猫背になりやすい
・少し動いただけで疲れやすい
・関節が柔らかすぎる感じがする
こんな特徴として現れることがあります。



もともとは発達障害児の分野で
使われてきた言葉ですが、

最近は
・自律神経失調症
・トラウマ
・神経発達症(ADHD/ASDなど)
のある大人にも
よく見られる特徴として語られています。

🌱自律神経との関係
筋肉の緊張は、
実は自律神経系(交感神経・副交感神経)
によってコントロールされています。
自律神経が乱れて「オフモード」
が続くような状態
(いわゆるシャットダウン・凍りつき状態
※青さん、と呼んでいます)

になると、
体を支えるための筋緊張も
一緒に下がってしまうことがあります。
つまり、
「なんだか体に力が入らない」
「姿勢を保つのがしんどい」

という感覚は、
気合いや根性の問題ではなく、
神経系の状態が体に表れている
サインかもしれない、
ということです。

低緊張は「だらしない」
のではなく、神経系からのメッセージ。
まずはそれを知ることが、
体との付き合い方を変える第一歩になります。

🌱トラウマとの関係

「トラウマ」というと
大きな事件や事故を
想像しがちですが、

実は、
・小さい頃からの緊張状態
・気を抜けない環境
・安心できる場所がなかった

こんな積み重ねも、
神経系にとっては
立派な「トラウマ」になります。

こうした状態が続くと、
神経系は
「凍りつき」「シャットダウン」
という反応を
繰り返すようになります。

これは本来、
命を守るための
緊急ブレーキのような反応。

でも、それが
何度も繰り返されるうちに、
神経系はずっと
「非常事態モード」
になってしまいます。

すると不思議なことに、
ずっと緊張しているはずなのに、
体は逆に
・力が入らない
・だるい、疲れやすい
・姿勢を保てない

という「低緊張」の状態を
作り出すことがあるのです。

これは、
トラウマ研究の第一人者である
Bessel van der Kolk(ベッセル・ヴァン・デア・コーク)や
Peter Levine(ピーター・ラヴィーン)
らの臨床観察がベースになっています。

つまり、
「体に力が入らない」
「なんだか姿勢が保てない」

という感覚の裏には、
神経系が長い間
がんばり続けてきた
歴史があるのかもしれません。

🌱神経発達症との関係

ADHD(注意欠陥多動性障害)

ASD(自閉症スペクトラム症)
のある人には、
「体の使い方が独特」
「力の入れ方・抜き方が難しい」
という特徴が
よく見られます。

これは、
脳が体の位置や動きを感じ取る力
(固有受容感覚)や、
運動の組み立て方に
特性があるためだと
考えられています。

その結果として、
低緊張(筋肉の緊張が低い状態)が
比較的よく見られることが、
臨床や研究の中で
指摘されています。

実は、私がこの「低緊張」
という身体の状態に
一番はじめに出会ったのは
小学校の支援学級の
キッズヨガに入った時でした。

6年生の男児の
身体がくねくねとして
体幹が定まらず、
動きが急で、
衝動性もこの身体から
来ているのでないかと
感じました。

大人でも、そういう人の
身体を時々見かけます。

大人になると
社会の中で、
神経発達特性を
隠しながら生きることが
多いと思いますが

姿勢がすぐ崩れる
長時間座れない
やる気がでない
力が入らない
イライラする

そのような特徴があった場合は
自分の「性格」や「努力」
を責める前に、
ぜひ神経発達的な問題にも
目を向けてほしいと思います。

心の問題を、
心の側からだけ見る

身体の問題を、
身体の側からだけ見る

そんな時代はもう終わりなのかなと
日々感じています。