C. U さんインタビュー
いつの間にか出来ることが増え、痛みもなくなっていた
にしかわ:
ヨガを始めたきっかけをおしえてください。
Cさん:
昔から、気功や東洋医学などには親しんできたので、ヨガには興味がありましたが、なかなか機会がなくて。実際に始めたのは2012年です。まだYoga Lanternが「西軽井沢ヨガ教室」だった頃ですね。
にしかわ:
長いお付き合いになり、とても嬉しく思います。ヨガを月1、2回、8年近くコンスタントに続けてきて、いかがですか?
Cさん:
始めた当初は身体がかたくて、、、このポーズってどこに力を入れてどこを伸ばしたら出来るんだろう?と想像できないポーズもありました。この身体では、怪我もしやすいだろうな、体調を整える意味でもいいかなと思って続けていましたね。
ヨガを始めて1、2年くらいで呼吸法がわかってきて。なんだか体調がイマイチだなと思うときに、呼吸をしながらストレッチをしたり、寝つきが悪いときも呼吸法をすると、スッと眠れたりするようになりました。
にしかわ:
生活の中で、呼吸法が使えるようになったのですね。
そういえば、以前は膝が痛いということを毎回仰ってましたね。今はどうですか?
Cさん:
最初は、膝をつくだけで大変だったのを思い出しますね。そういえばここ5年くらい、膝がつけないということはなくなりました。不思議なくらい。
それに、長く続いていた右肩の痛みも、いつの間にかなくなりましたね。
にしかわ:
8年という年月が経って、身体の調子がよくなったこと、出来ることが増えているんですね。
Cさん:
そうですね。鳩のポーズとか。最初はできなかったですから。
先日も、鋤のポーズで初めてつま先が床についたということがありましたね。
そういう意味では、大成長したのではないでしょうか!
経験が増えると、初めてのポーズもどうやるのか予想できるようになってきますしね。
にしかわ:
以前、流行りの筋トレの話をしているときに、「やりすぎるのはもちろん良くないけど、出来ないと決めつけるのもよくない」と語ってらっしゃったのが印象的でした。
Cさん:
無理しちゃうと、身体を壊してしまいますね。だからと言って、何もしないでいれば、身体がかたまってしまう。挑戦してみたいけど、これ以上やるとなんだかまずいぞ、と思う時もあります。せめぎ合いがあって。だから自分で調整するんです。挑戦して、思ったより出来たかも!って思うときもありますよ。
クリパルヨガクラスに通って、身体を痛めたことはないです。でも、全身筋肉痛!てことはあります(笑)それは楽しんでいますね。あれくらいやると、一日あとに来るんだ!とか。ちょっとしたバロメーターになっているというか。
ヨガは人と比較せず、楽しく生きる術
Cさん:
まきえさんの教え方や、教室の雰囲気もあるんでしょうけど、このクラスでは人と比較することがないです。
まわりの人がどうかとか、ぜんぜん気にならない。
今日もバランスのポーズができなかったんですけど、それも受け入れながら楽しめている気がします。その時々で、自分の体調も違いますし、心の状態も違う。
今日はこれはできなかったけど、これは気持ちよく出来たな、と自然と思えます。
やんなきゃ、やんなきゃ、という気持ちがないんです。
それで健康も守れているから、いいですよね。
にしかわ:
人と比較することが、一切ない。それはヨガ初心者の方にぜひ届けたい言葉ですね。
Cさん:
ヨガを初めてやる方は、見ているものが自分じゃなくて、まわりになってしまうことがあるのかもしれません。
でも他人と比較して、これもあれも、できない、できない、じゃ面白くない。
ましてや人と比べて「みっともない」とか比べてしまうと、楽しくなくなってしまう。
些細なことでいいので、「出来た!」を探す。
ヨガは、楽しく生きていく術だと思います。
年齢的なものもあるかもしれないけど、そういうメンタリティーはものすごく磨かれていると思います。自分の成長を見られる。長続きの秘訣ですね。
自分を褒めるにも、スキルがいる
にしかわ:
そういうメンタリティーは、日常でも生かされているのですか?
Cさん:
基本的に、日常でもそうですね。
しんどいことがあっても、今のこの苦しみがすべてじゃないんだ、と思えます。
コロナ禍で生活様式が変わったり、息が詰まるようなこともありましたが、そんなときに、文字通り「息抜き」っていうんでしょうか。
生活のなかで、深い呼吸をしてスッと力を抜いたり、自分を落ち着かせることが出来るようになりました。呼吸法は、すごく役立っている気がします。
にしかわ:
Cさんの人生経験もあると思いますが、「この苦しみがすべてじゃない」という捉え方にはヨガの影響もあるのですね。
Cさん:
そうですね。身体や呼吸が変化することを見てきたからでしょうか。苦しい状況はずっとつづかないことを、体験的に信じられるようになっています。
それから、まきえさんがよく言う「気づき」ですね。
自分を客観視して、受け止める感覚が備わったんだと思います。
人と比較することなく自分を見つめつづけてると、自分の中で変わってゆくものを実感できます。それが、希望に繋がってゆくのだと思います。
コロナ禍で、若い人が命を絶ってしまうケースが続きましたが、本当に悲しいです。その瞬間だけ乗り越えたら、次があるんだ、ということを若い人に伝えたいです。
「乗り越える」っていうと、がむしゃらな感じがするんですが。やりすごすっていうくらいでしょうか。友達でも音楽でもヨガでもいいから、助けを借りて。
にしかわ:
とても共感します。年を重ねるときにも必要な考え方だと思います。
Cさん:
そうですね。年を重ねていくと、体力も知力も衰えてきますから。
でも、命があるのだから。楽しめることはたくさんあると思うんです。
たとえばガーデニングが出来なくなってしまったとしても、野の花を愛でることは出来る。目が見えないなら、匂いがある。生きているなら、何かがあるはずだと思うんです。
呼吸なんか、たいてい誰でもできているじゃないですか。
よかった、呼吸できている。生きている。そのくらいの解釈でいいと思います。
さんざん今まで、がんばって生きてきたんだから。
にしかわ:
呼吸できている。生きている。究極の自己受容ですね。
Cさん:
子育てでも、褒めて育てると良いとか言いますよね。
生きてゆくには、人からの励ましや、称賛も必要だと思います。でも、一番大事なのは、自分を視ること、認めることかなと思います。
自画自賛って言ってしまえばそれまでなんですが、実はけっこう難しいと思います。
能天気なスキルっていうんでしょうか(笑)
自分を褒めるって、スキルのいることなんですね。
こうやって語ると、ちょっと大げさに聞こえますね。
実際はただ、「美味しいな」とか、「キレイだな」とか、「かっこいいな」とか、感じていられる心に気づきたいだけなんですけどね。
にしかわ:
大切なことですが、大仰にしないところが、清々しくて好きです!
今日は心にしみる話をありがとうございました。