脳・身体から考える、「泣く」ということ

ちょっと前になりますが、
めずらしく夜更かしをして、zoomで対談を聞きました。


感動した本(『実践ヴィパッサナー瞑想 呼吸による癒し』)
の訳者の方にzoomでお会いできるのも喜びだったけど、
知りたかったことのヒントが溢れていたり
内容がエキサイティングで濃くて
終わったあとに、わっ これはよく咀嚼して理解しないと!と思わせられるような
とても豊かな内容で、久しぶりに興奮しました。
特に印象的だったのは、「泣く」ことと前頭前野、とくに眉間の第6チャクラの関係。

この対談を聞いたあとすぐさま買った『瞑想脳を拓く』(有田秀穂・井上ウィマラ共著、佼成出版社)
という本の中ではこんなふうに書かれていました。
引用してみます。


涙を流すという行為は、脳をカタルシス状態に陥れます。
しかしそのカタルシス状態は、覚醒している状態でありながら、副交感神経をものすごく興奮させている状況を呼び起こします。これはたいへん特殊なことと言えるでしょう。
交感神経と副交感神経のバランスは、寝ているときが副交感神経で、起きているときが交感神経が働いていることはよく知られた事実です。また、ストレスが大きく加わっている時には、交感神経の興奮が高まっている状態です。にもかかわらず、覚醒時、交感神経が緊張しているはずのところを、副交感神経優位の状態に一気にシフトできるということは、ストレス緩和の観点から見るとたいへん特殊なことと言えるのです。

**

少し前、生徒さんに「大人になると子どものようには
息を吐けなくなると聞いたけど、なぜか」
と聞かれて子どもと大人の「吐く息」についての話をしました。


皆さんは、どんなときに「息を吐いて」いますか?



溜息。ほっとした時の息。どれも吐く息。それから?


「喋ること」「歌うこと」今コロナ禍で規制されてることばかりだけど、

全部、吐く息=副交感神経です。


それから、「泣くこと」

子どもと大人の大きな違いは、大きな声で泣けるか、泣けないか。

そんなふうに吐く息について考察を深めました。

しかし…、
上記のおふたかたの対談を参考にするなら、
「声を上げて泣く」…特に相手に共感して泣くことには、
ただ単に息を吐いているがために
副交感神経が働くとういうだけじゃなくて、

前頭前野に一気に血流がいき、
「覚醒」と「リラックス」が
同時に引き起こされている、つまり
大脳皮質が覚醒してると同時に知性(認知機能)が落ちている
という特殊な状況がからんでいるということが
大きな新しい、ビックリな学びでした。

そして、それが人間だけが備わっている機能であり
進化の最先端=前頭前野で起こっているということは
とても興味深い。
人間を人間たらしめているものが、「共感」「涙」「利他」である。
…いま一度、この世の中で、噛み締めたい事実です。

**


こういう素敵な企画をつぎつぎ送り出してくれる友に、
感謝の気持ちを送りたいと思います。
このコロナ禍でいつも支えてもらっています。
心から、ありがとう。

読んでくださったあなたにも、感謝をお伝えしたいです。
ありがとうございました。