若いひととヨガをする①時間が止まる病

若い人たちとヨガをする機会がたてつづけにあり、
記録として残しておこうと思いました。
ひとりは強迫神経症を患っている青年です。
ご本人には承諾を得て書かせていただきます。

先日、21歳男性とそのお父さんと一緒に
プライベートでヨガをしました。
彼は18歳の頃いっしょにヨガをしたことがあって、
強迫神経症の症状がすごく重いのですが
とても感性が豊かで、前回はこんなふうに伝えてくれた
のを覚えています。


「宇宙遊泳をしているみたいだった」



今回は2回目。
また症状が重いという話で

まず部屋の前で立ち往生してしまうし、
座るまで何分もかかるし、
言葉を話し始めてから終わるまで
通常の10倍は時間がかかってしまう。

動きにも、もちろんすぐには入れません。
けれど、それでヨガの体験ができないかというと
全くそうではなく、
長い長い時間をかけて片脚をたてる、
脚を伸ばす、手を伸ばす、
息を吸う、息を吐く
その中で確実にヨガ体験が起こっていて
わたしの仕事は、ただそれを、
信じるだけ。
ただ信じるという、ピュアな仕事でした。

ヨガ後、彼がまた長い時間をかけて教えてくれた
ことがまたセンセーショナルでした。

「ときどき、自分は永遠に時間が止まってしまっているかのような
感覚に襲われるけれど、それは錯覚だった。
ほんとうは、諸行無常なんだと思った」




…すべては移り変わっていく。
何一つとして変わらないものはない。
諸行無常。


ヨガをしていると、自分の体の感覚が一時も同じではなく
呼吸も一息として同じではなく
すべてが一瞬、一瞬、移り変わっていくという
当たり前のことに深く気づくことがあります。

しかし、、、
この、自分でコントロールしようもなく、どうしようもなく
「時が止まってしまう病」を持つひとから
それに気づいたと言われてしまった時の、、、
この涙が出るような感じ。
これは何て表現したらいいのか。わかんないです。


諸行無常。

そう、すぐに忘れてしまうんだ、わたしも。
この一瞬が、かけがえのない、もう戻らない
一瞬だということを。

あなたも、繰り返し繰り返し手を洗ってしまうときに、
移り変わる今この時を、
思い出せなくなっているのだろうか。

だとしたら、何ら私たちは異質な人間ではない。
程度の差こそあれ、
同じように、
「時が止まってしまう病」にかかっている
地球の人間のひとりだと思う。

忘れないように、日々ちょっとでも自分の感覚にもどる。
空を流れる雲を見る。
目を閉じて、呼吸を感じる。
植物の成長を感じる。


わたしも毎日、「ほんとうのこと」にもどる努力をしています。
いっしょにがんばろ。
最初は努力だけど、馴染んできたら、
世界はもうすでに輝いていて
完璧だったことに気づく。そして忘れる(笑)


また気づくために、明日の朝、目覚めよう。


読んでくださって、ありがとうございました。
病名と年齢を出す許可をくれた
本人とお父さんに感謝します。
同じように苦しむ人に届きますように。