生み出す、からだ



いつ瞑想していますか、と聞かれることがあります。
朝、まだ誰も起きていない時、とか。
スーパーでレジ待ちの時間とか。
大谷地鉱泉(地元の銭湯)の中とか。

数分でも隙間があれば目を閉じて、呼吸や体の中の感覚を楽しみます。
保育園で働いていた時は、トイレの中が唯一の瞑想時間でした。

でも、いちばん多く瞑想しているのは「食後」かもしれません。

何しろ、食べた後は、驚くほど身体が変わるから。
身体が温まり、熱が生まれ、重心が下がる。
一体わたしの体内で何が起きているのか、感じたいのです。
興味があるのです。

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暑い暑いとバテた、この夏。

わたしも熱中症になりかけたり、食欲減退したりと厳しさもあったけれど、
その暑さの中でじわりじわりと体表から湧き出る汗を、
本当にありがたく感じていました。

梅雨時期に必ず「水毒症」(身体が水分過多になって
めぐりが悪くなることで不調になる症状)
になってしまう私にとって、
汗をかけるというのは、天の恵み。

からだのシステムに感謝せずにはいられないし、
汗が出てくる感覚も好きなのです。

秋の花粉が飛ぶ時期になり、部屋は閉め切って
クーラーオンリーで外気をいれない生活が始まりました。

気が付くと、身体が冷えています。
ふくらはぎが、いやに冷たい。
身体をあたためなくちゃ、と思い、
マスクと帽子を装着して外に出て、いつもの散歩コースを歩きました。

実は、最近、ちょっと転んで肋骨が折れてしまい、
あまり歩けていなかったのですが、
歩くことで右の患部に感じる振動を楽しみながら、
右足と股関節のわずかな詰まりを感じながら、歩くこと数分。

太陽の光は容赦なくふりそそぎ、冷えていた身体があたたまって、
体温が上がっていくのを感じます。
そしてあっという間に、体内から汗があふれ出しました。

そんなとき、思うのは、

わたしは「汗を生み出せるのだ」ということ。

今、千葉の実家の母が、自律神経失調症で、
特に夏の暑さにやられて激やせしています。

汗が出ない、と言っていました。

汗をかくとベタベタして嫌だとか、
汗だくで恥ずかしいとか健常者は言っているけど、
私たちの身体は、
不平を言い続けるマインドなど意に介さずに、
温度が高ければ自動的に
「汗を生み出せる」からだのシステムを備えています。

そして驚くべきことに、からだは暑い時に、
体表に水を泉のように湧きださせて、
体の熱を冷まそうとしているのです。
それを思うとスゴイ!!って毎回思っちゃう。

初めての肋骨骨折も、
わたしにとっては新鮮で楽しい出来事でした。
だって、骨は「ギプスで治る」というイメージがあったんだけど、
ええ!!?? 

…結局、自然治癒。


カルシウムを摂取しては、
それが骨を再結合する材料になることをイメージし、
身体の神秘に耳を澄ませています。
そして、特別何もしていないのに、
痛みの感覚は着実に変わっていく。

以前、不妊治療中だったKさんが、
ヨガのクラスに来てくれたときに
こんなことを教えてくれました。

わたしがヨガクラス中に、
「生まれてくる熱を感じて」と言った時に、
Kさんは


「わたしの身体は、何かを生み出せるんだ!」


と強く思ったというのです。

その後、無事ご出産されたという話を聞いて、心から嬉しく思いました。

私の体内から、汗が生まれてくるとき、
熱が生まれてくるとき、
Kさんのことを思い出します。
Kさんの赤ちゃんのことを思います。